人物快談

吉越 浩一郎氏 トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社
代表取締役社長 吉越 浩一郎氏
よしこし こういちろう

1947年(昭和22年)千葉県出身、55歳。上智大学ドイツ語学科在学中に、独ハイデルベルク大学に留学。74年、メリタジャパンに勤務、80年メリタジャパンおよびメリタカフェ常務取締役に就任。
83年トリンプ・インターナショナル(香港)にプロダクト・マネージャーとして入社。86年トリンプ・インターナショナル・ジャパンのマーケティング本部長、87年同副社長を経て、92年から現職。
妻や友人と語り合う時間を大切にしています。

誰しも自分を快適にしてくれるモノや時があります。
「人物快談」では各界の達人たちにとって、そんな元気の源が何かを探っていきます。
今回は「天使のブラ」が大ヒットした
トリンプ・インターナショナル・ジャパンの
吉越浩一郎社長にご登場いただきました。
ドイツ系企業の日本法人社長であり、
フランス人の奥様のよきご主人でもある。
国内外に数多くの友人を持ち、人生について笑い、
語らうことが日々のエネルギー源となっているようです。

「がんばるタイム」や禁煙報奨などユニークな取り組みが注目される
「天使のブラ」、「恋するブラ」でおなじみの女性インナーウェア・メーカー、 トリンプ・インターナショナル・ジャパン。 ワコールの牙城だった日本のインナー市場にあって、 めざましくシェアを拡大している。 実はトリンプはドイツに本社がある外資系企業だということをご存知だろうか。 吉越氏のおおらかな雰囲気のせいか、 「外資」という言葉が持つ固いイメージからかけ離れ、 すっかり日本に定着している。

応接間のドアから「お待たせしました!」と入ってきた吉越氏はスラリとした長身で、 とにかく元気がいい。 声にも張りがあり、 快活によく笑う。 代表取締役社長という肩書きだが、 社内の「さん」づけ運動で部下たちからも「吉越さ〜ん」と気軽に声をかけられるというのもなるほど、 うなづける。

最近では「がんばるタイム」や禁煙報奨制度など、 ユニークな取り組みがマスコミで報道されるトリンプ。 まずその話題から向けてみると。「喫煙が身体によくないことはみんな承知していることですが、なかなかやめられない。 そこで会社で禁煙宣言をすれば家族に一律3万円、 キャッシュで報奨金を出しましょう、 というアイデアを出したんですよ。 対象とした約330人のうち、138人がたばこを吸っていたのですが、 ほとんどの人が禁煙しました。 すごいことでしょう?」

ちなみに禁煙を挫折すると罰金として自主的に6万円支払わなければならないとか。 吉越氏自身も愛煙家だったが、数年前にきっぱり禁煙した。 「おかげで太った社員が増えましてね」と笑う。

「がんばるタイム」は毎日午後12時30分から2時30分までの2時間、私語、電話、オフィス内の歩き回りを禁止し、 自分の仕事だけに集中するための制度。

94年にスタートした制度だが、今だに継続している。 「天使のブラ」はこの「がんばるタイム」中に誕生したという秘話もある。だらだらと仕事をしないでメリハリをつけたことでいいアイデアが生まれるのだ。

「欧米では仕事時間中にぺちゃくちゃおしゃべりする習慣はありません。 日本では工場では効率がよいのに、オフィスでは生産性が非常に悪い、と以前から思っていました。 日本人の情緒的な面はよい場合もあるのですが、仕事にそれを持ち込むのはどうかな。 何でも隣の同僚に聞くのではなく、自分でじっくりと考えること。 集中して仕事を進める時間帯があってもいいのでは」

こうした考え方は吉越氏の国際的な経験に基づいてのこと。 欧米、アジア各国をくまなく歩き、海外の人々と出会って磨き上げられた国際感覚からきている。 その発端はドイツ・ハイデルベルク大学への留学。 そして、そこで出会ったフランス人の奥様にあるようだ。

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